東証マザーズの指数先物がついに上場。その使いみちとは?

先物上場で買われるマザーズ銘柄は?

 では、マザーズ指数先物上場後のマザーズ市場で、個別銘柄は何が買われるのか。「ヒントは構成銘柄にある」と話すのは、株式ジャーナリストの大神田貴文氏。 「マザーズの時価総額上位10銘柄のうち5銘柄がバイオ・医薬企業。政府が最先端医療を育成する方針を決めており、景気対策などで具体的な支援策が出るたびにバイオ関連銘柄の株価が刺激されそうです。例えば、臨床応用が急速に進むiPS細胞を扱うヘリオスは10~11月の学会集中期に動意づきそうです」  大阪取引所の資料では、昨年1月から今年6月まで386営業日で、日経平均とマザーズ指数の騰落が一致しなかったのは約3分の1。このうち、日経平均が下げ、マザーズ指数が上げた日は63日あったという。 「狙い目はやや円高気味の局面でしょう。輸出株比率の高い日経平均の上値が圧迫されると、為替の影響が少ないマザーズ市場のバイオ関連株に資金が流入しやすい。銀行・証券以外の投資関連企業も、マザーズならではの銘柄です。マイナス金利を始めた日本では、金利のない状態が長期化する公算が大きい。より有利なリターンを求める動きが強まれば、アパート経営指南から建築までを請け負うインベスターズクラウドや、航空機リースなどの証券化商品で急成長するジャパンインベストメントアドバイザーの株価上昇が予想されます。両銘柄とも東証1部昇格の有力候補でもあるのです」(大神田氏)  さらに、ネット関連はマザーズ銘柄の得意分野でもある。 「複数サイトを一括検索するサイトを運営するじげん、ネット広告をリアルタイムで販売するフリークアウトはLINEとの提携で成長が期待されます」(同)  マザーズ指数先物上場で好循環が期待できそうだ。
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マザーズ市場の時価総額のシェア
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